META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 劇団春陽座
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2024-02-22

劇団素描・「春陽座」(座長・澤村心)・《芝居の春陽座、健在!》

【春陽座】(座長・澤村心)〈平成21年1月公演・東京浅草木馬館〉
 この劇団は、平成19年8月に東京浅草木馬館で見聞済み。当時の「劇団紹介」によれば、〈プロフィール 春陽座 平成16(2004)年8月1日、ユラックス(三重県)にて旗揚げ。劇団名の「春」は、澤村新吾座長の母・春代に由来し、また春の日射しのような」という意味も込められている。芸達者な座長を筆頭に、澤村心副座長、沢田ひろし、白竜、澤村かずまを中心として、お芝居にショーにと全力を注いでいる。澤村新吾 劇団座長。昭和19(1944)年8月14日生まれ。兵庫県出身。血液型O型。初舞台16歳。義父・澤村玄之丞率いる「澤村劇団」で初舞台を踏み、以後一般の生活を営む時期もあったが、平成11(1999)年に「澤村劇団」座長として役者に復帰。その後、座長を現在の三代目・澤村謙之介に譲り、平成16(2004)年8月に「春陽座」を旗揚げする〉とある。また、キャッチフレーズは〈全員一丸で見事に演じる絶品の芝居力!! 「春陽座」のお芝居には、常に心を揺さぶる何かがある。それは、澤村新吾座長をはじめ、座員全員が一丸となって一生懸命に舞台を務めているから。春の陽射しのような優しい光で、観る者を包み込んでくれる劇団です〉であった。以来1年半が経過、劇団の実情も大幅に様変わりしたように感じる。副座長だった澤村心が座長に、花形・白竜が抜け、若手だった澤村かずまが副座長に・・・。しかし、「全員一丸で見事に演じる絶品の芝居力」は健在であった。芝居の外題は「百代半生記」。沢田ひろし(女形)主演、「ざん切り物」の新派「もどき」で「絵になる」場面の連続だった。以前から「光っていた」澤村かずまの「芸」にも磨きが掛かり、舞踊に、芝居にと「成長の跡」(副座長としての貫禄)が窺える。ただ一点、花形・白竜が脱けた「寂しさ」はいかんともしがたい。彼の風情は、「無口」「シャイ」「無表情」、どちらかといえば地味な存在であったが、「脇を固める」座の一員としては「必要不可欠」な存在ではなかったか。また、男の「色香」を漂わせる舞踊の「実力」は天下一品であった。穴埋めとして、新しい座員も加わったようだが、かつての舞台を再現するためには、今しばらくの時間が必要だろう。
 新「春陽座」が当面する課題はただ一つ、「立ち役」の「艶やかさ」、「男の色香」を誰が、どの場面で描出するか、だと思う。今後の舞台を楽しみに通いたい。
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2023-07-21

劇団素描・「春陽座」(座長・澤村心)・《「お千代物語」・クニやんの役割》

春陽座】(座長・澤村心)〈平成21年1月公演・浅草木馬館〉
 昼の部、芝居の狂言は「お千代物語」。筋書きは「追われる女」(春川ふじお劇団)、「噂の女」(鹿島順一劇団)と、「ほぼ同じ」。弟(澤村心)の病気治療のために「身を売った」姉・お千代(沢田ひろし)が、生まれ故郷(大和郡山)に帰ってくることで生じた、波紋(賤業差別・村八分)と、それを克服しようとする父(澤村新吾)、育ちそびれの青年・クニやん(澤村かずま)の物語で、いわば大衆演劇の「名作」といえよう。なるほど、〈芝居の「春陽座」〉、プログラムに「ぬかりはない」と十分な期待をもって見聞したのだが、結果は「追われる女」に「今一歩」、「噂の女」には「大きく水をあけられた」。理由はただ一点、クニやんという「人物」を芝居全体の中でどのように位置づけるか、ということであろう。「追われる女」の春川ふじお劇団、「噂の女」の鹿島順一劇団、いずれもが、この「人物」を座長が演じていた。しかし、「春陽座」では副座長・・・。澤村かずまが「力不足」だということではない。役柄としての「格付け」が、「お千代」と、その「父」の方に傾き過ぎていたということである。弟思いの姉、その「愛」が「村八分」なんぞに「負けてたまるか」という「父の思い」は十分に理解できる。しかし、それが前面に出すぎたために、お千代とクニやんの「愛」が「際立たなかった」。「追われる女」では、花形・澤村うさぎと座長・春川ふじお、「噂の女」では、名女優・春日舞子と座長・鹿島順一、いずれも「クニやん」(「マンちゃん」)が「お千代」をリードして「幕」になるのだが、「春陽座」では、「お千代」が「クニやん」をリードして「幕」・・・。役者としての「格付け」か、役柄としての「格付け」か、そこらあたりは不明だが、たよりない「クニやん」の中に、本当の「頼もしさ」を「今」感じ取れるかどうか、が芝居の「眼目」でなければならないのではないか。もしかしたら、「父」役・澤村新吾(初代座長)の箴言「亭主をよくするのも悪くするのも嫁次第」を、「お千代」役・沢田ひろし(特別出演)が「忠実」に守っただけのことだったりして・・・。
 いずれにせよ、「父」役を澤村かずま、「クニやん」を初代座長・澤村新吾という配役で「もう一度観てみたい」と思いつつ帰路についた。
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(2005/10)
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2023-04-01

劇団素描・「春陽座」(座長・澤村心)・《「故郷の兄」・絶品の人情劇》

【春陽座】(座長・澤村心)〈平成21年1月公演・浅草木馬館〉
 夜の部、芝居の外題は「故郷の兄」。江戸時代、貧乏長屋の夫婦の物語。夫(澤村心)は、ぼーっとした駕籠かき、今日は相方が病気で仕事にあぶれたが、借金取りが押し寄せる。それをテキパキと口八丁で追い返す妻(沢田ひろし)。夫が外出すると、大家のおかみさん(北条真緒)にバッタリ遭遇、てっきり家賃を催促されるものと思って、とっさの言い訳、大声を上げて泣きながら「実は・・・、女房が死にましてん!」仰天するおかみさん、暮れ六つまでに葬式代五両を届けると約束する。一方、妻が外出すると、大家の旦那(澤村新吾)にバッタリ遭遇、てっきり家賃を催促されるものと思って、とっさの言い訳、大声を上げて泣きながら(唾を目にこすりつけながら)「実は・・・、亭主が死にましてん!」仰天する大家の旦那、暮れ六つまでに葬式代五両を届けると約束する。貧乏長屋の夫婦、てんでに「しめしめ、これで借金から逃れられると思いながら帰宅、相互に「もうけ話」をし合ってビックリ、でも「大家夫婦が一緒に来るわけがない」、旦那が来れば亭主が死んだふり、おかみさんが来れば女房が死んだふりをしようと「打ち合わせ」て、暮れ六つを待つ。とうとう大家夫婦が「一人ずつ」やって来て、初めのうちはうまくいったが、最後は怪しんだ夫婦に「一緒に」来られ、万事休す、そこまでの経過が、まさに「ドタバタ喜劇」を絵に描いたような「景色」で、何とも面白かった。三枚目の女形を演じられる役者は「実力者」、まさに名優・沢田ひろしの面目躍如たる舞台であったと思う。大家に見放され、女房のへそくり一両を大事に持って「夜逃げ」しようとする駕籠かき夫婦のところへ、何故かやって来たのが亭主の弟(澤村かずま)、見れば、みすぼらしい乞食の風体、ずっと以前に村の衆の金を持ち逃げして「家出」していたものを、「今さら、どの面さげてやって来た」と亭主は追い返すが、そこは「兄弟の情」、なけなしの一両を「傘に忍ばせて」そっと手渡す。そのことを女房にとがめられ、またまたドタバタしている最中に、亭主の弟、「衣替え」して再登場、実は江戸に出て大成功、今では大店の大金持ち、貧乏夫婦の窮地を救って「めでたしめでたし」、という幕切れ。人間「金」よりもっと大切にしなければならないものは「人情」だという眼目は、よくわかった。
 「よおっ!芝居の《春陽座》!」しかも、「人情喜劇」もお手のもの、という「実力」を十分に堪能できた次第である。
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上田 浩寛

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2023-03-30

劇団素描・「春陽座」(座長・澤村心)・《「人生双六」・正直者は勝利するか》

【春陽座】(座長・澤村心)〈平成21年1月公演・浅草木馬館〉
 芝居の外題は「人生双六」。正直者・庄五郎(沢田ひろし)と、若者・菊之助(澤村かずま)の「友情物語」である。世の中は不景気、仕事にあぶれた庄五郎、空腹を紛らわすために菰をかぶって寝ているが、どこからともなく聞こえてきた下手な歌声に目を覚ます。歌っていたのは空き巣を稼業としている泥棒野郎(澤村心)、「一緒に仕事をやらないか」と誘われた庄五郎、「とんでもない!男は額に汗して働くもの、まっぴら御免」と断固拒否。そこへやって来たのは、若者・菊之助、庄五郎と言葉を交わすうち、「人間、正直が肝腎、心に傷をもってはいかん」という言葉にハッとする。実を言えば、今しがた、百両という大金を拾得し、「ねこばば」しようと思っていたところ・・・。「そのお金を落とした人は、どんなに嘆いていることだろう。その気持ちを思えば、お返しするのが人の道」と反省する。菊之助、庄五郎に「すんでの所で、人の道を踏み外すところでした。大切なことを教えていただきありがとう」「ついては五年後に、ここでまた会いましょう。どちらが出世をしているか人生の競争(双六)をしませんか」と提案した。庄五郎も同意、かくて五年が経過した。所は、ある材木問屋の店先、「大変だ!誰かが身投げをした」という声と共に、助けられて登場したのは件の庄五郎、衣装はボロボロ、尾羽打ち枯らした風情で見る影もない。店主(澤村新吾)が事情を尋ねると、「五年前の約束の日になったが、菊之助に会わせる顔がない」と消沈する。店主、「わかりました。ぜひともその若者に会っておやりなさい、髪を結い衣装を整える足しにして・・・」と、小判を数枚差し出した。庄五郎、ありがたく頂戴、身なりを整えて約束の場所へ。先程とは打ってかわった「成金」の衣装姿が、なんとも「けばけばしく」絵になっていた。一方、若者・菊之助、約束通り今では大店の若旦那、見事に出世した勇姿を現した。思いっきり背伸びをしてみせる庄五郎との「やりとり」が何とも楽しく、絶妙の呼吸で観客を魅了する。やがて、庄五郎の「化けの皮が剥がれる」という段取りだが、五年前、大金を落としたのは材木問屋の店主、それを届けたのは菊之助、届けるように諭したのは庄五郎、つまりは庄五郎の「正直さ」が、すべての「恩人だった」という結末で「めでたし、めでたし」という幕切れ。最後に言い放った庄五郎の名台詞、「菊之助さん、今から五年後!今度こそ『人生双六』でお目にかかりましょう」という言葉が、ことのほか頼もしく響き渡った次第である。
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