META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW,NOARCHIVE" 脱「テレビ」宣言・大衆演劇への誘い 役者点描・女優・三河家諒、「変幻自在」の《三拍子》
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2018-08-09

役者点描・女優・三河家諒、「変幻自在」の《三拍子》

 三河家諒は、「三河家劇団」の看板女優(座長・三河家桃太郎の実妹)である。私が「三河家劇団」の舞台を初めて見聞したのは、少なくとも今から3年以上前、場所は「茂原・太陽の里」であったが、詳細は憶えていない。劇団のチラシに桃太郎の扮装をした座長の姿が映っていたこと、座長の口上がユニークで面白かったこと(暮れに栃木県の上延生センターで公演を頼まれている。演目は「忠臣蔵」。その劇場は、見渡す限り田んぼの中にポツンと建っている。何もない田園風景の中に劇団の幟がはためいている光景は異様、どうしてあんなところに劇場があるのでしょうか)、芝居よりも口上の方が面白かった、という第一印象であった。三河家諒も、当然出演していたはずだが、全く思い出すことができない。ところが、である。平成21年8月、「佐倉湯ぱらだいす」での公演を機に、私にとっては、文字通り「忘れられない劇団」となってしまった。芸風は「地味」かもしれないが、その芝居の素晴らしさは「天下一品」、斯界でも屈指の「実力派劇団」であることを思い知った次第である。若手からベテランに至るまで、それぞれの役者が「分をわきまえ」、役者同士、客との「呼吸」を何よりも大切にする、といった誠実・真摯な姿勢が窺われ、たいそう好感が持てた。中でも、女優・三河家諒の芸風は「変幻自在」の魅力とでも言おうか、肥桶を担いだ老婆から、料理屋の女中、武家の奥方、立ち役では、スリの子分、二枚目の侠客まで、達者に演じきる。この劇団の芝居では、誰でも「一人二役以上」が当たり前だが、「女たちの忠臣蔵」では、大石内蔵助の妻・りく、浪士・間十次郎の妻・りえ、浅野内匠頭の妻・瑤泉院の「三役」まで演じ分ける。明治座(商業演劇)の大舞台では、池内淳子、熊谷真美、京マチ子、テレビでは、池内淳子、波野久里子、佐久間良子ら五人で演じた役柄を、なんと、たった一人で演じきってしまうのだから恐れ入る。風貌は「左幸子」然、件の女優連に比べてとりわけ「優る」とも思われないが、その舞台姿、彼女が醸し出す風情・景色は「格別」で、筆舌に尽くしがたい。りく、りえ、瑤泉院の風情は、三者三様、表面は貞淑、華麗、清楚な「景色」を見せながらも、その根底には、男の「面目」に翻弄される、女の切ない「情炎」が燃えている。まさに「女たちの」忠臣蔵(の眼目)が、「一人三役」の「離れ業」によって、いとも鮮やかに描出されるのである。(そうえば、特選狂言「マリア観音」では、兄・三河家桃太郎が、安倍豊後守とその妻・お蔦という「一人二役」で見事に演じていた。さすれば、この「離れ業」、「三河家劇団」の「お家芸」であることに間違いはない)その、「マリア観音」では、スリの半次郎、「月夜の一文銭・上州百両首」ではドジの牙次郎に加えて、料理屋の田舎女中、定番「へちまの花」では三枚目の主役・およね、「浅間の喜太郎」では豪放磊落なおふくろ、「恋の新橋」では鉄火な芸者・・・等々、悲劇、喜劇、人情劇、剣戟、「なんでもござれ」といった按配で、彼女の役柄は「変幻自在」、《変化(へんげ)の妙》を客(私)は堪能できるのだ。その「実力」は芝居だけに留まらない。舞踊では「涙の酒」(立ち役)、「長良川艶歌」、「ホテルみなとや」・・・等々は「個人舞踊」の《お手本》といっても過言ではない。「立ち役」では、南條隆、見海堂駿、甲斐文太、南條光貴、蛇々丸、「女形」では、若葉しげる、東雲長次郎、見城たかし、筑紫桃太郎、片岡梅之助、大川龍昇、大川竜之助、都若丸、小林真・・・といった、(錚錚たる)「男優」陣の中においても引けを取らない。「女優」陣の中では、大先輩・喜多川志保に続く筆頭として、葉山京香と肩を並べる存在であろうか・・・。とりわけ、見逃せないのは、組舞踊「大阪ブギ」で演じる「抱腹絶倒」のコミック・ダンス。ともすれば、形が崩れてデタラメになりそうな所作・振り付けを、ぎりぎりのところでくい止める「瀬戸際」の《芸》もまた「離れ業」、まさに「お見事!」というほかない。さて、とどめは、歌唱。女優では、若水照代、小林真弓、峰そのえ、都ゆかり、大日向きよみ、らの「歌唱」が傑出しているが、三河家諒の歌声や如何に?これまでに私が聴いたのは、ただの1曲にすぎない。曲名は、知る人ぞ知る名曲「東京宵待草」であったが、その出来栄えは、何とも魅力的、文字通り「旅役者でなければ出せない」哀愁に満ちていた。その風情は、「梅澤武生劇団」の名女優・竹澤隆子を彷彿とさせるほどで、私の涙はとまらなかった。
さればこそ、女優・三河家諒は、「芝居」「舞踊」「歌唱」の三拍子がそろった、「変幻自在」の名優だと、私は確信している。(2011.7.13)



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